つがいのオウムは幸せをもたらす賢鳥
外形 | 葵花形 |
装飾 | 螺鈿 |
時代・年代 | 唐 8世紀 |
直径・重さ | 16.5 cm 725g |
螺(ら)とは巻き貝の総称で、鈿(でん)とは何かに埋め込んで装飾することを意味する。特に螺鈿は、ヤコウガイなどの貝殻を美しい虹色の光沢層がでるまで磨き、紋様の形に切り、暗褐色の樹脂に埋め込んで仕上げる装飾技法をいう。貝以外に琥珀(こはく)やトルコ石、ラピスラズリの細片で飾られることが多い。ヤコウガイは南洋産、宝石はミャンマーやアフガニスタン産と考えられており、広範囲にわたる交易が行われていたことを示している。
正倉院には、二羽一対のオウムが表された螺鈿の楽器があり、モチーフの表現方法や技法には共通点が多い。
図録296