円形は天、方は地を象り、四神と瑞獣が跋扈する
外形 | 円形 |
装飾 | |
時代・年代 | 前漢 1世紀 |
直径・重さ | 25.7 cm 1317g |
中央の方格(方形の紋様)と、規矩(きく=コンパスと定規)に見立てたTLV字形の幾何学紋を主紋とする鏡で、方格規矩鏡と呼ばれる。方格は地を、外形の円形は天空を示し、立体的で壮大な天地の構造を表現している。その間に四神や瑞獣、仙人などが配置されていることから、当時の宇宙観が反映されていると考えられる。
日本にも持ち込まれ、弥生時代の北部九州の墓から出土する他、古墳時代前期にも見られる鏡式で、その後日本国内でも真似て製作されるようになる。ただし、本鏡のように紋様が細密かつ極めて繁縟なまでに表現される事例は知られていない。なお、本鏡には鏡架(鏡を置く台)が伴っている。
図録129