県指定重要有形文化財

袴狭遺跡群線刻画木製品(2点)(平成13年度指定)

袴狭遺跡群は円山川と出石川によって形成された低湿な沖積平野に立地しています。発掘調査の結果、低湿地によって守られた大量の木製品が出土しました。
その内弥生時代後期から古墳時代前期の2点の木製品に線刻画が描かれていました。
1点は組み合わせると箱形になるもので、長さ54センチ、幅13センチ、高さ9センチになります。天板と両小口板が欠損していますが、両長側板にはサケ(またはスズキ)、シュモクザメ、シカ、カツオ、のほか、何重もの方形文様や勾玉形の文様なども描かれています。
もう一点は長さ197.3センチ、幅16.2センチの長大な板で、大小16隻の準構造船が描かれています。準構造船には口を開けたような表現のあるものがあり、大阪府高廻り2号墳出土埴輪のような先端が二股に分かれるようなタイプの船を描いていると考えられます。裏側には広形銅矛のような線刻も描かれています。
名称 袴狭遺跡群線刻画木製品(2点)(平成13年度指定)
内容 箱形木製品1・線刻画木製品1
遺跡名 袴狭遺跡群
出土地 豊岡市出石町
備考 箱形木製品、線刻画木製品とも考古博物館テーマ展示「交流」に展示されています。
<参考文献>兵庫県文化財調査報告第197・229冊
カテゴリ 県指定重要有形文化財