テーマ2環境 自然とともに生きる

17弥生のみのり

弥生人は何を食べたのでしょうか?

玉津田中遺跡では、さまざまな植物の種が見つかっており、いろいろなものを食べていたことがわかっています。弥生時代の村から、一番たくさん見つかるのはお米です。どの植物の種よりもたくさん見つかるので、彼らの主食がお米だったことは疑う余地がありません。

しかし、それ以外にも、畑でつくる植物や、野山でとれる植物なども利用しています。麦は世界中で人間の主食となった植物ですが、日本ではその座を稲にゆずり、遺跡からはわずかに見つかるだけです。イネと同じように麦飯にして食べたのかもしれません。豆はたくさん見つかりますが、今の大豆よりも小さな豆です。アブラナ科の植物の種も大量に見つかっています。アブラナ科は、詳しい種類まではわかりませんが、大根やかぶの仲間かもしれません。マクワウリは今でも食べられている果物で、弥生時代までには日本に伝わっていました。弥生人のおやつだったのでしょうか。

ひょうたんは縄文時代から栽培されてきた植物です。今もむかしも変わらず、実を容器にしたのでしょう。

弥生人は、様々な植物を利用することにより、日照りや虫害、洪水によってお米が取れなくなったときのリスクを回避していました。米づくりはお米をつくるだけではなく、不作の時に備えとなる他の作物づくりとセットになった技術なのです。