テーマ2環境 自然とともに生きる

19鉄がやってきた

鉄の道具は弥生時代の初め頃に朝鮮半島から日本列島に伝えられましたが、兵庫県で鉄の道具が使われるようになるのは今から約2000年前ころからです。この頃はまだ日本列島の中で鉄をつくる技術はなく、鉄の素材は朝鮮半島からもたらされていました。

鉄は、まず、道具をつくるための道具である斧や小刀(こがたな)などに使われます。また戦うための道具である(やじり)や短剣にも鉄が使われるようになります。鉄の道具の出現は人々の生活を大きく変えていきます。しかし弥生時代に実際どれくらい鉄の道具が普及していたかは、意見がわかれています。それは鉄の道具が遺跡からあまり見つからないからです。

しかし今から2000年前くらいから石の道具が激減し、少ないながらも鉄の道具が出現するので、鉄の道具はかなり普及していたと考えられます。石の道具は壊れたらそのままゴミとして捨てられ、その後も腐らず残りますが、鉄の道具は壊れても、再利用できますし、捨てられても錆びて無くなってしまうものが多いのです。鉄は人間の暮らしを大きく変えましたが、それを直接わたしたちに語ってくれる資料はごくわずかなのです。