テーマ3社会 国の成り立ち

20戦いの武器

武器の発達は、人々がより強力な戦いの道具を手に入れて、敵に立ち向かう必要性があったことを語っており、世の中が戦いに明け暮れた緊張状態にあったことを示します。弥生時代から古墳時代は、日本列島の住民がはじめて武器を手にし、それを強力な道具へと進化させていった時代でした。

弥生時代の戦士は、木のよろいを着て、石の道具を手に戦いましたが、弥生時代後半に鉄の道具が普及すると、戦いの道具は真っ先に最新の素材である鉄に置き換わります。鉄の短剣や(やじり)をもった戦士が、各地で戦いを繰り広げたのでした。

このような攻める道具の発達は、守りの道具の発達をうながします。鉄の武器の登場に遅れて、鉄のよろいがあらわれます。当初は数も少なく、一部の有力者が身につけているだけのものでしたが、5世紀になると鉄製のよろい・かぶとが大量に生産されるようになり、広く普及します。

この鉄のよろいの登場に対抗し、鉄のやじりが威力を増していきます。長く鋭くなったやじりは、鉄のよろいをも貫通しました。このように武器の発達は、これに対抗するためにさらなる強力な武器の発達を促し、とどまるところを知りません。人が意識して戦いをやめようとしない限り、武器の進化はこれからもつづくのでしょうか。