テーマ3社会 国の成り立ち

21戦いの犠牲者

この人骨は、神戸市玉津田中遺跡で木の棺に埋葬された状態で見つかりました。人骨の腰のあたりからは銅剣の切っ先が出土しており、おそらく銅剣でひとつきされて絶命したのでしょう。このような弥生人の殺傷人骨は福岡県や佐賀県など九州北部をはじめ、各地でたくさん見つかっています。武器が骨に突き刺さったもの、首をとられ首なしで葬られたものなど、犠牲者そのものが戦いのあったことを今に伝えています。

戦いはいつの時代も犠牲者をともなうものであり、残された家族たちはその死を悲しんだことでしょう。日本列島各地で戦いがくり広げられた弥生時代から古墳時代にかけては、国がひとつにまとまるまでの長い生みの苦しみの時代だったのです。