雲部車塚古墳
★場所
丹波篠山市東本荘782(地図によっては細工所となっている)
(付近に駐車場がないため、ご注意ください)
(陵墓参考地のため内部に立ち入ることはできません)
★時代
古墳時代中期中葉(5世紀中葉)
★遺跡の種類
古墳(陵墓参考地)
(埋葬施設は竪穴式石槨+長持形石棺)
★遺跡の概要
盾形の周濠をもつ前方後円墳。周濠を含めた全長は250m、墳丘長は140m。ただし、裾部が水没しているため、本来は158mあったと復原されています。
明治29年、地元の有志によって発掘が行われ、竪穴式石槨と長持形石棺が見つかりました。石槨の中には多くの副葬品が手つかずのまま残されていました。
取り出された副葬品は現在、京都大学総合博物館に保管されています。
発掘当時の記録が絵図によって残されており、大型古墳の埋葬施設の様子がわかる貴重な資料となっています。特に、石槨の壁面に刀剣類が掛けられている副葬の様子は他に例がありません。
なお、石棺は開けられることがなかったため、棺内の副葬品は現在も古墳の主と共に地中に眠っています。
その後、宮内庁によって古墳の左右両側にある陪塚と共に、陵墓参考地となっています。
雲部車塚古墳は、復元長としては県内第2位の規模、山陰道諸国では最大の規模であり、近年、改めてその評価が高まっています。
当館では、常設展のテーマ展示室に、絵図から復原した雲部車塚古墳の石槨と石棺を展示しています。
【参考文献】兵庫県立考古博物館、2010年『兵庫県立考古博物館研究紀要』第3号 雲部車塚古墳の研究