32.銅鐸

加古川市出土
望塚銅鐸(当館蔵)

銅鐸とは、弥生時代につくられた青銅製のベルで、全国で500例ほどが知られています。

上部にはぶら下げるための鈕(ちゅう)があり、内部の空洞部分には音を鳴らすための振り子、舌(ぜつ)がぶら下げられ、揺らすことで舌が本体の内側にぶつかり「カ~ン」という打撃音が鳴るようになっています。それ以前の日本には金属の楽器がなかったので、初めて聞くその音色に弥生人は心を奪われ、神の存在を感じたのかもしれません。

やがて弥生時代でも後期になると、銅鐸は吊り下げて鳴らす機能がなくなり、見ることを目的としたものに代わっていきました。

ちなみに、上面や側面にある孔は、製作時に内外の鋳型を固定させたためにできたものです。

銅鐸のほとんどは村から離れた丘陵斜面や平地に埋められたため、今となってはどこにあるのか見当が付かず、工事中に出土するという事例が多くあります。

兵庫県は全国一の銅鐸出土地として知られています。これからも、ある日突然、ひょっこりと2,000年近くの時を経て私たちの前に現れることでしょう。

 

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