ようこそ兵庫県立考古博物館へ。
考古学とは過去の人々が残した遺跡、遺物にもとづいて人類の歴史を解明する学問です。わたしたちの博物館は兵庫県内の考古学の資料を収蔵、展示して、その歴史や文化の解明に役立てることを目的としています。
こういうと、何かかた苦しいイメージですが、実際には、館内に子どもたちの楽しそうな笑い声や会話が飛びかい、家族連れの来館者で賑わっています。それは、さまざまなしかけが展示室のあちこちに用意されているからです。
発掘の模擬体験、謎解きの扉や引き出し、古代人への変身コーナーなど、楽しみながら考古学の世界に足を踏み入れることができます。また、ナウマンゾウを追う旧石器時代の人々、大きな石棺を納めた古墳の内部、船に乗って大陸と往き来した古墳時代の人々など、迫力ある実物大のジオラマから、知らず知らずに古代の世界にタイムスリップできます。
勾玉づくりや火おこしなどの古代体験のメニューも多く準備しており、経験豊かなボランティアの丁寧な指導のもとに、簡単にできるようになっています。
もちろん、考古学や歴史に詳しい方々を対象とした特別展や講演会も充実しており、幅広い関心に応えられるように企画しています。
いま、私たちの世界は、大規模災害や疫病、環境破壊、紛争など、日々の暮らしをおびやかすものにあふれています。こうした苦難に対して人類がどのように対処し、生き延びてきたか、その解明の糸口は歴史のなかにあります。先人の「知恵と工夫」を学び、それを未来に活かすことこそ、私たちにできる大きな役割です。
当館のシンボルマークに記された「Past & Future」にはこのような思いが込められています。その思いを感じていただけるよう、スタッフ一同、明るく元気に、そして真摯に取り組んでいきます。
「触れる・感じる考古学のワンダーランド」、兵庫県立考古博物館へぜひお越しください。
兵庫県立考古博物館 館長 菱田哲郎
令和6年 4月