28.渦巻文杏葉
杏葉(ぎょうよう)とは、ぶら下げることで馬を飾る馬具の一種で、主に古墳時代後期から普及していく。
渦巻文の杏葉は、鉄の棒を巻いた渦巻き1対を向かい合わせにしているもので、ぶら下げるための突出部(立聞:たちぎき)をもつ。
全国でも群馬県から熊本県までの12例しか知られておらず、出土した古墳や地域の特性から、渦巻文のデザインをもつ朝鮮半島からの渡来人との関係が指摘されているが、出土古墳によって形態差が大きく、製作場所や時期は異なっているものと考えられている。
また、同じ渦巻きのデザインとはいえ、朝鮮半島からの出土品とは形態差が大きく、同種の杏葉も出土していないことから、その起源については今後の検討が必要とされている。
<参考文献>
・大手前大学史学研究所・香美町教育委員会2014『文堂古墳』
・八頭町教育委員会2014『福本70号墳発掘調査報告書』
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