発掘調査現地説明会資料を掲載しました
以下の発掘調査の現地説明会を行いました。
現地説明会資料を掲載しますので、ご覧ください。
1.遺跡名 山角廃寺(やまかどはいじ)
2.所在地 兵庫県加古川市平荘町山角467
3.日 時 令和7年1月25 日(土)
4.調査成果 寺院関連遺構
(1)古代寺院(山角廃寺)の存在がより確実に
・山角廃寺はこれまで、旧平荘小学校の校庭に保存されてきた塔心礎と小学校近くで出土したとされる数点の瓦によってその存在が想定されてきた謎の寺院でした。
・発掘調査で古代(8世紀)の瓦(写真1)が多数出土したことから、古代寺院が調査地の近くに存在したことがより確実になりました。
(2)印南山報恩寺に関わる遺構を発見
・旧平荘小学校の北東に隣接する印南山報恩寺(※)は、中世から続く寺院として知られています。
・発掘調査では、中世から近世にかけての遺物や溝などの遺構が多数見つかりました。現在の報恩寺と同じ、北から約10°東に傾いた方位の遺構が多く、報恩寺に付属する施設の跡と考えられます。
・主な遺構として、中世の幅約2.5mの溝、瓦や土器を多数含む溝、近世の暗渠(あんきょ)、井戸が見つかりました。
中世から近世へと続く報恩寺周辺の土地利用の実態を解明する手掛かりとなる遺構です。
※印南山報恩寺:現在は真言宗の寺院ですが、もとは『西大寺末寺帖』にも載る真言律宗の寺院で、中世の印南荘(いんなみのしょう)の中心寺院でした。中世文書を中心に貴重な古文書を所蔵しており、13世紀末ごろに再興したとされています。
境内には十三重塔をはじめ、石仏、西大寺系の五輪塔など、13~14世紀を中心とする石造物(県指定文化財など)が多数所在しています。1505年の火災で施設の大半が焼失したものの、1643年に本堂が、1647年に鐘楼が再建されました。
5.調査面積 2,304 ㎡